空ノページ

ライトノベルを中心に活動中の作家、空埜一樹のブログです

新作発売:異世界クエストは放課後に!3 クールな先輩がオレに告白するようです

みんなー!!!!!!!!!!!!!!!

宣伝ブログだよー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

発売から二週間くらい経っていて今更記事を書いているので、エクスクラメーションマークを沢山つけて誤魔化しました。

 

関係ないけど「!」をエクスクラメーションマークと読むって知った時は、格好良すぎて衝撃的でしたよね。

それより前に使ってた「びっくりマーク」なんてもう使えるわけがないって話ですよ。

「びっくり」「マーク」って日本語と英語が混じってる感が恥ずかしくてさ。

ディズニーランドをねずみランドっていうようなもんですよ。違うけど。

 

まあそんなことはどうでもよくて、新作が出たので読んで下さいということで。

 

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/797.html

 

異世界エストは放課後に!3 クールな先輩がオレに告白するようです」

HJ文庫から発売中なので、宜しくお願いします!!!!

 

今回は!!!!!! 風也と先輩が夏休みを満喫する為に!!!!

神様からの依頼!!!!! 幻の島を探せというクエストに挑戦!!!!!

他にもプールに行ったりバーベキューしたり、季節イベントが満載!!!!!

二人の関係にも変化が現れて!?!?!!??!

 

という内容になっております。

強調する為にしょうこりもなくエクスクラメーションマーク(略してエマ)を使ってみましたが、やらん方が良かったかもしれん。

まあ、エマもね、塩コショウと同じで、使い過ぎにご用心ってね。

全然上手いこと言えなくてびっくりしましたけど、そんな感じでご購入下されば幸いです。

 

作中の季節と現実のそれ(って表現にすると何となくよさげなので好きです)が合致することって結構、稀なんですけど、今回はばっちりでしたね。

書いてた時期もそれほどずれてなかったので、色々と助かりました。

夏の話を吹雪舞う中書いてたり、冬の話を蚊すら活動できない高い気温の中で書いてたりすることが多いので、「あれ、夏ってどんな感じだったっけ……?」って思い出すのに苦労するんですよ。

 

ていう内部事情なんてどうでもいいんですけど、今回は褐色ヒロインが出てきます。

ぼくの作品では珍しいですね。嫌いというわけではないんですが、なんとなく今まで出せていませんでした。

そういう風に「理由はないんだけど、そういえば出してなかったな」っていうタイプのキャラは割といるので、これからどんどん登場させていければなと思っています。

ゴリラ(雌)とかね。

 

というわけで、改めまして、

 

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/797.html

 「異世界エストは放課後に!3 クールな先輩がオレに告白するようです」

 

発売中ですので、何卒、宜しくお願いします!!!!!!!!!!!!!!!!!

新作発売:勤労魔導士が、かわいい嫁と暮らしたら? 2 「はい、しあわせです!」

発売日を十日以上も過ぎてから宣言ブログを書く奴は誰だーーーー!!

はい、ぼくです。

すみません。まじで。

言い訳をさせて頂くと、四月末くらいからこう、色々と、バタバタとしてましてですね。それで遅れてしまったというか。

この「バタバタしてまして」って言い方、具体的に何も書いてないけどなんとなく忙しかった感が出て、社会人っぽくていいですね。こうして大人は汚れていく。

 

まあ、そんなことはどうでもいいとして、宣伝します。なぜなら新作が出たのだから。

 

勤労魔導士が、かわいい嫁と暮らしたら? 2 | HJ文庫公式Webサイト

 

こちら発売中でございます。

天才魔導士ジェイクが、可愛いお嫁さんリルカと結婚し、日常を過ごすお話、第二弾ということでして。

一巻では「嫁来た→結婚や!」というハイスピードな流れだったわけですが、本来、結婚というのはその前に色々なステップを踏むものでしてね。

いやまあ、当方、結婚したことないので具体的なことは知らないのですが、なんか、こう……両親への? 挨拶的な? そういう古来からの儀式みたいなの? が? あるとか?

まあ、そんな情報を、酒場のマスターから聞いたことがありましてね、これは重要だろうと「おもいだす」機能を使って、記憶から探り、お話に使ったわけです。

なので、今回は、ジェイクがリルカに実家に行ってます。

(おもいだす機能がドラクエ6(7もあったっけ?)くらいにしかなくて、知らない人がいるかもしれないという不安が過ぎりましたが、些細なことなので特に説明しません)

結婚相手の両親に挨拶と言えば、頑固おやじが「貴様のような男に娘はやらん!」「そんな、お義父さん!」「貴様にお義父さんと呼ばれる筋合いはない!」みたいな、そういう伝統芸能があるらしいので、やろうと思ったんですけど、この作品には合わないなと思ってやめました。

ジェイクが、ぼくの作品の主人公の中でも群を抜いて幸せなので、それくらいはあってもいいと思うんですけどね。いや、あれ。殴られればいい。

他にも、ジェイクの元に弟子志望の女の子がやってきたり、ザックがうおおって活躍したり、リルカが思わぬ行動をとったり、そういったお話が盛りだくさんです。

余談ですけど、ザックみたいに、軽薄な感じのサブキャラがメインで頑張って格好良くなる話、非常に好きなので、今回は書けて嬉しかったです。

ダイの大冒険のポップとかね、ああいうのが、決める時に決めるのが大興奮なわけです。

 

というわけで、宜しくお願いします!

 

新作発売:異世界クエストは放課後に! 1&2

どうも、お久しぶりです。

そうです、油断したらすぐ更新をサボる作家です。

仕事したりゲームしたりしている内にいつの間にか2017年も終わって2018年が始まり、更には四月になろうとしています。

こうなると最早、ぼくが悪いんじゃなくて、こっちの許可なく進む時間の方に問題があるんじゃない?って気がしますね。ホウレンソウちゃんとしてよ? 社会人の基本的なとこよ? お前のそういうとこ、治していこうな?

というわけで宣伝書きます。

一巻の記事を書かない内に二巻が出てしまうので、一緒にするよ。

 

異世界エストは放課後に! ~クールな先輩がオレの前だけ笑顔になるようです~」

 

異世界クエストは放課後に! | HJ文庫公式Webサイト

 

こちら発売中でございます。

学校では平凡な高校生である主人公、津守風也、しかし彼は自由に行き来できる異世界グリムヴェリアでは、超凄腕の剣士だった!

彼はひょんなことから学校中の注目を浴びる美少女先輩、御子戸千紘とグリムヴェリアで出逢い、異世界に不慣れな彼女を導いていくことになる。

そんな中、学校ではクールな千紘の意外過ぎる一面を、風也は目撃することになるのだった。

 

という感じのストーリーになっております。

ある事情からクールっていうか無感情に近い先輩が、異世界では滅茶苦茶ハイテンションになって、それに戸惑いつつも可愛いなあと思う主人公とのファンタジーラブコメ話です。

ありますよね。無表情・無感情系の女の子がさ、こう、主人公との触れ合いで少しずつ人間味を取り戻していって、最後に素直に笑う、みたいなさ。

あるいは、クールで毅然としている女の子が、ぬいぐるみとか好きで、夢中になっちゃてるとこを主人公に見られて、爆裂的に照れるとかさ。

そういう、なんていうのかな、即効性のある可愛さじゃなくて、あるシーンでそれまでの印象を覆されて、それ故に可愛さが急上昇っていう。

初めて白子のポン酢和え見て、なにこれって食べたら、え、こんなにとろけるの? ちょっとグロいのに、こんなに濃厚で深みのある味があるの!? 好き! 超好き! みたいなさ。

そういうギャップみたいなのを、異世界・地球というステージを駆使して描ければいいなって思ったわけです。

白子に例えたのは完全に失敗でしたけど、その辺を面白いと思って頂けると幸いです。

 

異世界エストは放課後に!2~銀髪美少女がオレに迫ってくるようです~」

 

異世界クエストは放課後に! 2 | HJ文庫公式Webサイト

 

こちらは4月1日に発売です!

 千紘に強力なライバル出現! 積極的に迫る新ヒロイン、北欧から来た少女エルシーの猛攻に、風也もたじたじ!

そんな彼女を見ている内に、千紘の気持ちにも変化が……?

 

という感じのお話になっております。

地球・異世界でのギャップを演出する上で、千紘とはまた別ベクトルのヒロインを出す場合、どういう方法があるか?

というようなことを、喫茶店で艦これしながら考えてたんですが。

あ、嘘です。ぼくは真面目なのでそんなことしません。まじで。ちょっとだけ。いやちょっとだけでもなく。でもほら、演習だけやら。な。

で、ぱっと出たのが、「外国人」というワードだったんですね。

外国の女の子が地球ではカタコトだけど、異世界では意思疎通ができる為にぺらぺらになる。ありだな、と。

でも、それだけだと弱いなと思ったので、どうするかなって考えて「なぜか異世界では方言みたいな喋り方してたら良くない?」という答えに行き着きまして。

実は過去に「複数の方言が入り混じって喋るヒロイン」ってのは思いついていたんですが、作品に活かすタイミングがなくて、じゃああの子の要素をこの子に加えてみようってなったわけです。

まあ、おかげで割とカオスなキャラになった上、めっちゃ書くの大変やんけ責任とれコラってなりましたが、結構個人的にはお気に入りのキャラになりました。

皆さんにも好きになってもらえると嬉しいです。

出身国を北欧にしたのは、ぼくが数年前に旅行していいとこだなーって思ったという、まあ、それだけの理由です。

ただあの辺ってお酒の販売に厳しくて、21時を過ぎると低アルコールのもの以外はシャッター降ろして売ってくれないんですよね。

なもので夜遅くに酒飲みたいってコンビニいったら買えなくて、閉じたドアに手をついて思わず「ああああ」って声出して嘆いちゃいましたよね。

いい歳こいたおっさんが。酒買えなくて。嘆く。

東洋の恥。

そんな思い出は欠片も反映されていない二巻、何卒、宜しくお願いします。

新作発売:勤労魔導士が、かわいい嫁と暮らしたら? 「はい、しあわせです!」(HJ文庫)

http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/series/191/

11月1日にHJ文庫より新作、
『勤労魔導士が、かわいい嫁と暮らしたら? 「はい、しあわせです!」』
が発売されます!
宜しくお願いします!!

HJ文庫からは久し振りですね。
今まで何してたんだよと言われたら、やることやってたんだから! 誤解しないでよね!(腕組みして頬を赤らめながらそっぽを向く)というツンデレヒロインみたいな反応しかできないわけなんですが。

ともあれ新作ですよ。
内容は、

日々勤労に励む魔導士ジェイクの元へ、ある日やって来たのは、彼のお嫁さんになりたいと希望する八つも歳下の女の子、リルカだった。
突然の出来事に慌て、何の前振りもなくそんなことになっても対応できないぜー! と言いながらも割と急速に絶対嫁可愛いマンになっていくジェイク。
そして、旦那さまの為なら何だってできます、そう、わたしならね! とばかりに張り切る絶対夫大好きガールのリルカ。
二人は、日常の中で少しずつ絆を深めて行くーー。

という感じの、ほのぼのスローライフ的なお話になっています。
結婚というのは、ある種の関係性のゴール地点とも呼べるわけですが、今回はそこから始まり発展して行くわけです。
なので、今までの作品では主人公とヒロインは「好きなの? どうなの?」というところをメインに据えてましたが、本作では「好きだけど、そこからどうする? どうする? 君ならどうする?」というところを軸に回しています。
その為、執筆中、二人のやりとりで常に口から砂糖が大量に吐き出され、ぼくの血糖値がゼロになりましたが、なんだかんだ楽しくは書けたと思います。

読んだ人に、こんな嫁がいたらなぁ、とか、こんな女の子と一緒に暮らせたらなぁ、とか思って頂ければ、こんなに嬉しいことはありません。

 

ちなみにぼくは暗い部屋で明るいモニターを見つめながらちょくちょくそんなことを呟いています。
危ないことは自覚しているので、今度からちゃんと電気をつけて呟こうと思っています。
視力とか大事だしね!

 

後、書いている時はまじで何とも思っていなかったのですが、イラスト担当のさくらねこさんにリルカを描いて頂いた時、心の底から、
「21歳と13歳の結婚って、すげえな」
としみじみ思ってしまいました。
イラストの力って、本当に素晴らしいですね!

 

これ以上深入りすると後戻りできなくので、最後にもう一度、

http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/series/191/

『勤労魔導士が、かわいい嫁と暮らしたら? 「はい、しあわせです!」』

11月1日にHJ文庫より発売しますので、何卒、宜しくお願いします!!

新作発売:英雄世界の英雄譚<オリジナル>(DX文庫)

http://dash.shueisha.co.jp/release/index#978-4-08-631200-4

DX文庫より8月25日に、
「英雄世界の英雄譚<オリジナル>」
が発売します!
宜しくお願い致します!!

 

そろそろ宣伝もしていかないとね、このブログが変なコラムを書いてるだけの謎の代物と認識されても困るわけでね。
というわけで新作です。

内容的には「白銀の英雄」と呼ばれる伝説の英雄であり、同時に最強の魔法使いでもある人物に憧れを抱く主人公グレンが、ふとしたきっかけで彼の生きる時代に転移してしまうというところから始まります。
そこで出会ったのが、後の世で「聖女」と呼ばれ、100年後にグレンが住んでいる王国「聖リディア」を創り上げた初代女王リディア、その人だったわけです。
が、リディアはグレンの時代で聞いていたイメージとちょっと違うようで……? あとリディアと共に居たはずの白銀の英雄がおらへんのやけど……? みたいな感じで、色々あって彼女と行動することになります。

グレンのいる時代では誰でも使える、森羅万象を操る「魔法」という便利な術。
しかし、100年前は一部の人間だけが持つもので、彼ら、魔法使いは特権階級的な扱いを受けていました。
なので、魔法を使えないやつ=ゴミみたいな構図であり、一般人は酷い扱いの連続。
それをなんとかしようぜ、やってやんよ、ワイ、やってやるからよ! と立ち上がったのがリディア。
彼女は解放軍を名乗り、多くの人達を率いて、打倒非魔法使い差別社会を掲げて動いてます。
で、主人公グレンもまた、その渦中に巻き込まれるわけですが。

ぶっちゃけ、グレンの魔力、つまり魔法を使うために必要なパワーは最低中の最低中の最低。
どれだけ低いかというと、未来で兵力として国に採用された魔法使いへ、強さ別に与えられる階級が、彼には無し。一番下のものさえ相応しくないとされているわけです。笑える。
おまけに彼は周囲から無印と蔑まれ、馬鹿にされていたりもするのです。本当にかわいそう。

そんなグレンの運命や、いかに!
白銀の英雄と同じ髪の色を持つというだけで、他はまるで違う無力な彼は、リディアと共に活躍できるのか!?

……みたいな流れになっておりますので、是非とも興味を持たれた方はご購入下されば幸いです。
興味なくても買ってくれればそれはそれで幸いです。読めば興味が出てくるかも! しれない!

 

ちなみにこの話を思いついたきっかけは「映画ドラえもん ぼく、桃太郎のなんなのさ」を見直していた時なのですが、知ってる人がどれだけいるのか全くの不明なので、あとがきはおろか担当編集さんにも言ってません。
でも面白いからそっちも観てね。本編とは全く毛ほども関係ないけど。


http://dash.shueisha.co.jp/release/index#978-4-08-631200-4

というわけでDX文庫より8月25日発売、
「英雄世界の英雄譚<オリジナル>」
改めて宜しくお願い致します!!

 

曖昧ゲームコラム 10:俺の料理

俺の料理

発売日時:1999年9月9日
発売元:ソニー・コンピュータエンタテインメント
対応機種:プレイステーション

 

現在発売されているゲームは星の数ほど存在するが、作品によってそれぞれジャンル分けされている。
RPG、アクション、シューティング、アドベンチャー、スポーツ、パズル、リズム、シミュレーション……などなど、数え上げればキリがない。
ただ、それだけの類型がなされているにも関わらず、そのどれにも属さないものもあった。
ゲームショップなどで主に「その他」のコーナーに入れられる作品だ。
扱う側が「これはどういうゲームなんだろう」と悩んだ結果、判断あぐねてそうせざるを得なかったのである。
ファミコン時代、ちょうどテレビゲームが一般に広まり始めた頃に一番多かった気がする。
だが時代が移り、次世代機が中心となると、その数も少しずつ現象していく。
ただ、その中において尚、独自の道を突っ走り、突っ走り続けて、崖スレスレを高度なテクニックでどうにか走り抜けたツワモノもいた。

「俺の料理」というゲームがその一つだ。
タイトルを初めて観た人は、きっと頭の中が疑問符でいっぱいになっていることだと思うので、ちゃんと説明する。
料理を作るゲームである。
「だからなに????」
と、やはり聞いた人は首を傾げ、なんならちょっとイライラし始めているかもしれない。
よって更に詳しく解説しよう。
コントローラーを駆使して、ラーメンや、ハンバーグや、天ぷらや、ソフトクリームを作るゲームなんである。
そろそろ拳が飛んできそうだ。ちゃんと言います。

いわゆるグルメ漫画などでは、しばしば「料理対決」といったものが行われる。
美味しんぼでの「究極のメニューVS至高のメニュー」然り、ミスター味っ子での「味将軍グループVS味吉陽一」然り、OH!MYコンブにおける「闇の味帝国編」然りーー。
主人公が実力者の料理人と激しく火花を散らしながら、どちらの腕が優れているか競い合うわけである。
俺の料理は、その展開をそのままゲームに持ってきたようなものだ。
主人公は料理人である。
彼は、様々な料理屋を渡り歩きながら、そこで凄まじい腕を持つライバルと激闘を繰り広げるのだ。
勝利の条件はただ一つ、相手よりも多くの客を料理で満足させること。
そして、その料理をプレイヤー自身が、様々な手順を経て作り上げるのである。
制限時間内で、材料を切り、煮込み、焼き、ひっくり返し、器に入れる。
全てを素早く、それでいて丁寧にこなさなければ、敵に勝つことはできない。
君は果たして料理人の頂点に立てるのかーー!

と、壮大なように書いているが、実際は普通にゲームでごはんを作っているだけである。
魔王を倒すこともなければ、エイリアンを撃つわけでも無く、難解な事件の謎を解いたり、悪霊を退治するわけでもない。
おまけにヒロインはちびまる子ちゃんのお母さんを彷彿とさせるパンチパーマのおばちゃんのみである。
あまりにも地味だ。
でも、これが、実に面白かった。
妙な中毒性があったのだ。
ぼくがなぜこの「俺の料理」を購入したのかは、未だ持ってまるで覚えていない。
当時、食べるのは好きだが料理なんてろくにやったこともなく、別にやりたいとも思わなかったぼくが、どういった経緯でこのソフトに自腹を切ったのか、深い謎に満ちている。
すこぶるどうでもいいので解き明かすつもりもないが、ともあれ、ぼくは何気無くやり始めたこのゲームに見事にハマった。
寝ても覚めても料理対決、学校から帰ればラーメンを作り、ご飯を食べては天ぷらを揚げ、風呂に入ればハンバーグを焼いた。
文章だけ読めば天才少年料理人のようだが、実際はコントローラーを握って背中を丸めているだけだ。
中学だか高校だかの若者が、ひたすらにアイスクリームや生ビールをうまく注ごうと心血を注いでいる姿は、ある種、異様なものだっただろう。
それでも、そんなに些細なことなんて気にならないくらい、楽しく遊んでいた。

ぼくの癖というか、他の人にもあるとは思うが、面白いゲームを見つけると、似たジャンルがやりたくなる傾向にある。
だが、俺の料理に似たジャンルなんてない。
俺の料理は俺の料理でしかなく、同じ作品は二つとなかった。
唯一無二の「お料理作りゲー」とでも言おうか。
あれから10年以上経ったが、続編はおろか、リメイクでする出ていない。
その後、俺の料理に続こうというメーカーも存在していなかった。
それほど異色のものだったのだろう。
あるいは、それほど数が出なかったのかもしれない。
ただ、例えそうだったとしても、ぼくの心には強烈なまでにその個性が刻み込まれた。
数字よりも記憶に残る作品を作るのが大事、なんてお題目は、綺麗事でしかないというひともいる。
それでも、やっぱり、思い出の中で薄れない魅力を持つ作品は大切だ。
俺の料理は、そういうことを教えてくれた作品だった。

余談だがこのゲームをやり込みまくって、自分が凄腕の料理人になったような気分になった為、得意げに家の台所に立ったことがある。
が、まったくといっていいほどに、ろくなものを作れやしなかった。
現実にもコントローラーがあったらいいのに、とバーチャル世代のようなことを思った次第である。

さて、と言うわけでこの「曖昧ゲームコラム」は今回をもって、終了になる。
よりによって最後が俺の料理って、と思う人もいるかもしれないが(いや間違いなく名作ではあるんだけど)一応の目処をつけたというだけで、また気が向いたから書くかもしれない。
ただ、取り敢えず、しばらくは別のものを書こうと思っている。
それが小説なのかあるいはコラムなのかは気分次第ではあるが、また気が向いたら載せるので、読んで頂けると幸い。
それではまた会う日まで。

 

終わり 

 

曖昧ゲームコラム9:ポポロクロイス物語

ポポロクロイス物語

発売日時:1996年7月12日
発売元:ソニー・コンピュータ・エンタテイメント
対応機種:プレイステーション

思えばぼくの青春時代は、そのままテレビゲームの進化の軌跡と呼べるのかもしれない。
8bitのファミコンから始まり、スーパーファミコンPCエンジンネオジオから3DOなど、実に様々なハード(機種)が各メーカーから発売された。
どれもが独自性のある機能を持ち、それをフルに活かしたソフトを出していたものだ。
しかしそんな中で、ある時、テレビゲームの転期とも呼べる瞬間が訪れた。
SONYからプレイステーションが、セガからセガサターンが発売されたのだ。
当時、プレイステーション(以下プレステ)とセガサターン(以下サターン)、それに任天堂から出たニンテンドー64(以下ロクヨン)という三つの新時代を象徴するようなハード、「次世代機」が三つ巴になってバトルを繰り広げていた。
人々はプレステ派、サターン派、ロクヨン派という陣営に分かれ、一度相手が敵ハードを愛するものだと分かると、苛烈なストリートファイトが繰り広げられ、敗者は首から「私は敗北ハード主義者です」と書かれた木札を下げられた。(フィクションです)
その時、中学生だったぼくは、何かとてつもない時代が訪れようとしていることを、ひしひしと感じていたのである。

そして来たる誕生日、ぼくは両親に頼んで、次世代機の一つを手に入れることに成功した。
選んだのは、プレイステーションだ。
大きな理由としては、話題の大作「ファイナルファンタジーⅦ」がプレステで出ると聞いていたからである。
ただし、FFⅦはその時、まだ発売していなかった。
なので、ハードと一緒に選ぶソフトは別のものにしなければならなかった。
前にも書いたが、新ハードと共に初めに購入するソフトは非常に重要である。
これを「ファースト・チョイス・ニュー・ゲーム・ソフト」、略してFCNGSと呼ぼうと思ったが、無茶苦茶ゴロが悪くて覚えづらいこと火の如しなので、やめておくことにする。
ともあれ幾つか出ていたソフトの中で、ぼくは初め「アークザラッド」というシュミレーションRPGを買ってもらおうとしていた。
が、目論見が外れてアークはしばらく後の発売だったと判明し、急遽、他のものを選ばなくてはならなくなる。
あまり残されてはいない時間の中で、焦り気味にショーケースの中を覗いていたぼくは、あるものを発見した。
それは、他のソフトのパッケージとは違い、まるで絵本のような優しいイラストの描かれたものだ。
中学生ともなれば格好つけたくなる年頃、額の邪眼が疼いたり、腕に包帯を巻いて突然苦しんだり、筆箱に小さいヒロインが隠れている設定で話しかけたりするもの。
多分に漏れずぼくもあらゆる物事を斜に構えて見る「第一次この世でぼくだけが世界の虚しさを知っている症候群」になっており、本来であれば、そういったゲームは子供のやるものだと手に取らなかったはずだった。
それなのになぜか強烈に惹かれるものを感じ、ほとんど抵抗なくそのソフトを選んでいた。
長くなったが、それが「ポポロクロイス物語」だ。

ポポロクロイス物語は、元々、漫画として連載されていたが、後にプレステ用のゲームとしても製作された。
ストーリーは、主人公であるピエトロ王子がガミガミ魔王を倒しに旅に出るところから始まる。
いわゆるオーソドックスな「勇者魔王もの」のフォーマットに則っているわけだが、ポポロはそこからが違う。
ガミガミ魔王退治なんて、この大きな物語のほんの一部に過ぎない。
そこを皮切りに、次々と思っても見ない展開が待ち受け、ピエトロは多くの厳しい試練へと立ち向かうことになるのだ。
そのほのぼのとした世界観とは裏腹にハードなシナリオと、厳しいテーマ。
それに錆びると動かなくなるロボット疑惑の白騎士(後に結婚して子供が生まれる所を見ると生き物だったのだろうか)や、可憐な魔女ナルシアなど、個性的なキャラクターと相まって、ぼくは見事にどハマりした。
ぼくの誕生日は8月の終わり頃なのだが、残された夏休みの時間を全てポポロの攻略に注いだほどである。

また、ポポロクロイスは、ストーリーや演出だけが優れているわけではない。
フィールドからそのまま戦闘へと移る「シームレスバトル」も斬新だったが、随所に美麗なアニメが挿入されるのもまた魅力的だった。
そう。ぼくはプレステをやって衝撃を受けたのである。
ゲーム内のキャラが声を発するのもそうだが、アニメーションが流れるなんて、まさに新時代の幕開けとしか思えなかった。
10代くらいの人には分かりにくいかもしれないが、当時のプレイヤーにとってそれは、人類が月に行ったのと同じくらいの驚きに満ちていた。(はずである)

正直、スーファミですら完璧に近いと思っていただけに、プレステで更にその先へ行くのかと、ゲームの果てない可能性を見た瞬間である。

あの感動は、ポポロクロイスという優れた作品を、より忘れられないものへとしてくれた。
今となっては中々味わうことのできない、ワクワクとした日々の到来を感じさせてくれるソフトだった。

終わり

次回:俺の料理