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ライトノベルを中心に活動中の作家、空埜一樹のブログです

ゲーム備忘録:SCARLET NEXUS

お久しぶりです、空埜です。

説の魔導王、千年後の世界で新入生になる | HJ文庫公式Webサイト

SW-01 桜華

 こういうの書いてるラノベ作家です。

マジに宣伝以外でブログを更新していないんですが、それでもちらほらとアクセスして下さる方がいてさすがに申し訳なくなってきたので、
たまにではありますが日記を書いていこうと思っています。
とは言えぼくの日常なんてそれこそ起伏がなさすぎて、心電図であればとっくの昔に死を意味している線を描いているので、プレイしたゲームの感想を書こうかなと。
ソーシャルにしろコンシューマにしろ、なんだかんだ、毎日のようにやっているので。
とは言え信条として批判的だったりネガティブなことはあまり書きたくないので、基本的にクリアできた、かつ楽しめたものだけご紹介しておきます。
ただ購入したまま積んでいる作品もあるので、ツィッター等で「買ったよ~」と写真をアップしたのに感想を書いていないからといって、つまらなかったわけではないということを予め告知しておきます。
また出来るだけ避けますが人によってはネタバレと感じる部分にも触れてるかもしれないので、その辺りご了承した上でお読みくださいませ。

 


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前置きが長くなりましたが、

第一回は「SCARLET NEXUS<スカーレット・ネクサス>」。
バンダイナムコエンタ―テイメントさんから発売されたアクションRPGで、X-BOX、PS4、PS5、PC等で展開中です。
ぼくがプレイしたのはPS5版。

その為、アクションのボタン配置とかもそれ基準になっています。

 

・概要

舞台は、「『脳』力」と呼ばれる、脳を起因とした力を大半の人間が使うことの出来る世界。
西暦的には2020年らしいのですが、脳をインターフェースとしたネット社会が構築されていて、街中の至るところに立体的ビジョンが浮かんでいたりと近未来的。
他にも「ブレイン・トーク」という、端末を介さずにメッセージのやり取りが出来るアプリがあったり、
「視認することで不快な感情を想起させるもの(たとえばグロ死体とか)」には視界上でモザイクがかかっていたりと、
人間の脳味噌に直接介入できるシステムが存在してるが故の社会構造が面白いです。

またこの世界(地球)は「断絶の帯」と呼ばれる特殊フィールドによって覆われており、そこから不定期に「怪異」と総称される化け物が降ってきます。
その為に天気予報ならぬ「怪異予報」というニュースがあり、「今日は数パーセントの確率で化け物が落ちて来るよ」とか教えてくれたりします。

冷静に考えると無茶苦茶恐いな。現実で「今日は三パーセントの確率でバハムート降るぞ」とか言われたら外出歩けない。

 

その怪異を倒すのが、「超『脳』力」という特殊能力を使う人達。
要はこちらの世界で言うところの超能力で、保持者は、
「念力」「発火」「高速移動」「発電」「硬化」などの効果を発揮することが出来ます。
彼らは「怪伐軍」という軍に所属し、国民からは敬意を込めて「緋色の守護者<スカーレット・ネクサス>」と呼ばれています。

主人公は二人。
怪伐軍に「志願」して兵士となった青年ユイト=スメラギ。
怪伐軍に「スカウト」されて兵士となった少女カサネ=ランドール
プレイヤーは最初にどちらかを主に操るかを決めて、物語を始めます。
シナリオの流れは共通しているのですが、二人はそれぞれ別の目的をもって物語を進めていくので、その主人公でしか体験できないイベントが多く展開されていきます。
二人通して初めて話の全容が見えてくる、という感じ。

 

・シナリオ

青少年を主人公に進めていくという意味で、ラインとしては非常に王道的。
その一方、展開としては割にシビアなものも多く、日本に似ているようで確実に違う国家構造というものが強く関わってきます。
この辺は嗜好にもよりますが、ぼくとしてはとても好み。

ただ気になるところとして、主人公を始めとした他のキャラの掘り下げがもう少し欲しかったかなという印象。
恐らくは主人公達が私的に抱える問題がメインストーリーその物にそれほど関わってこない為、どうしても浅いように感じてしまうのではないかと。
「絆エピソード」という、要は個別イベントみたいなものがそれぞれに用意されてはいるんですが、ソーシャルゲーム等で言うところの「キャラストーリー」と同じで外伝的エピソードになってしまうのは否めない。
そのせいか各キャラが魅力的ではあるもののどこか既存的なイメージから抜け出せてなかったように思います。
キャラクターが多い分、仕方のないところはあるんですが、因縁めいた相手との対決とか、過去との対峙などをメインに盛り込んで欲しかったなーと。
特にユイト編における「ナギ」に関しては彼との交流や固有シナリオが欲しい。
展開が良かっただけに余計そういう感想を抱きました。

が、ここまで書いておいてなんですが、これはぼくの年齢的な問題もあるのかもしれません。
と言うのも三十代も半ばを過ぎると様々な作品に触れてきていて、ある程度、自分の中に「キャラのパターン」「シナリオ展開のパターン」というものが自然と蓄積されているわけです。
それだけに「どこかで見たな」と感じることが多くなっており、その分、新鮮味も薄くなってしまうと。

本題からはズレてしまうんで興味ない人は読み飛ばしてもらって構わないんですが、作家、特に若い人をターゲッティングしているラノベ書きには、この辺の意識、気を付けないと大変なことになるんですね。
ぼくにとっては既知のものであったとしても、読者さんにとっては初めて、あるいはまだ欲している要素かもしれない。
だから「何度もやられてきたことだからもうやらんでいいだろう」とか「こういうキャラは過去に一杯いたし飽きられてるよな」とか思って「わざと外して」書いてしまうと、逆にまるで興味をもたれなくなってしまうこともあります。

それを踏まえてみると、十代、二十代の方にはぼくの抱いた感想がまるで当てはまらない可能性もあります。
そういった人達にはおっさんの戯言だと思って流して下さい。

 

・システム

アクションの基本は「通常攻撃・強攻撃・超脳力攻撃」です。
主人公の超脳力は「念力」なんですが、R2ボタンを押すと念力によって近くにある物体(瓦礫とか車とか)を引き寄せて敵にぶつけることが出来ます。
ダメージとしてはこれが一番デカいんですが、超脳力ゲージみたいなものがあって、連続して使ってるとどんどん減ってしまい、

最終的には0になって発動しなくなってしまう。
□(通常攻撃)や△(強攻撃)を使うとゲージが回復する効果があって、後者の量が一番多い。でも強攻撃はコンボ出来ないので、自然と「□・□・□・△・R2」みたいな流れが出来上がります。
スキルツリーによってコンボの数が増えたり超脳力ゲージが増えたりするので、その都度、便利になっていく感じ。

またメインストーリーを進めていくと「SAS」という機能を使えるようになります。
ざっくり言うと二人まで組める仲間の超脳力を主人公が使えるようになるというものなんですが、これが解放されるとアクションが格段に楽しくなる。
たとえば「瞬間移動」を発動すると、回避用のボタン(○)で文字通り瞬間的に別の場所に転移するだけでなく、敵への距離を自動的に0に出来ます。

「瞬間移動で敵に接近+コンボで攻撃+相手が反撃してくる前に再び瞬間移動で離れる」とかが出来て非常に気持ち良い。
気分はサイヤ人
他にも素早く動く敵や短い間だけ弱点をさらけだすボスには「高速移動」で時間を遅延させてボコボコにしたり、「透明化」して背後から近づき強烈な一撃を与えるなど、一気に技のバリエーションが豊かになってきます。

またスキルの進化で同時に二つ使えるようになるので、「高速移動と発火で一瞬にして周囲の敵を燃やし尽くす」とか「瞬間移動で隙を見せずに攻撃し、最後に念力の重ねがけで周囲の物体を一気に集めて止めを刺す」とか出来ます。無双。

最初はとっつきにくいと感じるものの、慣れると爽快で、アクションの新しい形を見た感じですね。

ただしこれらを使えるようになるのはある程度のストーリーを進めてからになるので、最初の内は微妙にもっさりしたアクションになってしまいます。
その時点で投げちゃう人がいるのでは、という懸念はあり。
「え、このゲーム大丈夫か」と思う人はとりあえずSASを使えるところまで進めてみて下さい。それくらい次元が違ってくる。

まあ、100点かと言われるとそうでもなく、当たり判定が微妙に雑いので接近して攻撃したのにヒットしないとか、雑魚でもダメージがデカい上、たまに回避不可能なレベルで攻撃を叩きこんでくるので気付いたら死んでる時があるとか、理不尽さを感じることはあったんですが、「もうやめる!」というレベルではなかったです。ぼくは。
正直、女神転生

「敵からバックアタック喰らって弱点つかれまくり、呼吸一つする間にゲームオーバーになる。しかもリトライなし」
とか経験してると些細な問題に見えてくる。(訓練されたデビルサマナー

詳細は避けますが、ラストでこのSASシステムを使った展開が用意されていまして、それは本当に無茶苦テンションが上がりました。
物語全体のテーマとしても合致してますし、あのイベントとしては文句なしに満点。
ぼくがゲーム上のシステムをシナリオ上の盛り上がりに使うのに弱いというのもありますが。
マザー2の「いのる」やペルソナの「うわさシステム」「コミュ」とか。アンダーテイルも良かったですね。
直近だとニーアオートマタとか、ブレスオブファイア5のⅮシステムも良かったし幻想水滸伝1の仲間を全員集めると起こるイベントとか……SFCの「スレイヤーズ」で主人公リナのレベルが1から始まるのを、RPGのお決まりシステムだと思わせておいて
実は、みたいなのも好きです。キリないのでこの辺りでやめておきますが。

 

後は「脳内空間<ブレインフィールド>」というものものあって、分かりやすい形で説明すると「プレイヤーだけ何でもありの空間を造り出して相手をフルボッコに出来る。慈悲はない」というものです。
ただし制限時間があって、それを過ぎると容赦なくゲームオーバー。回復する手段もない。まさに諸刃の剣です。
とは言えスキルツリーの進化やらで仲間が時間制限を伸ばしてくれたりもするので、まあ、そこまで気になるところでもないかも。

 

・総論

最初に書いた通り、記事にしたということはなんだかんだ最後まで楽しんでクリアできました。
なんか新しいアクションやりたいなと思った人にはお勧めです。

 

とはいうものの、個人的には諸々含めてもう後何歩か、造り込んで欲しかったなという感じですね。
アクションはそれほど不満はなかったんですが、キャラの掘り下げもそうですし、遊び要素も少なかったのがちょっと残念。
サブクエストはあるものの、「あの敵を倒して」とか「あれを集めて」ばかりなので、楽しさという点に関してはあまりない。
まあ、これに関しては直前にやってたのが龍が如くスタジオの「ジャッジアイズ」だったというのがデカい気がしますが……。サブクエスト豊富過ぎて「何の為にこの街に居るんだっけ」と己を見失うゲームと同じにしてはいけない。

次作がもしあるのなら、横道に反れたくなるようなミニゲームとかサブストーリーとかあるといいなぁと思いました。

 

 

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以上、こんな感じで思い出したように書いていくと思います。
宜しくお願いします。

あ、改めまして、HJ文庫から
「伝説の魔導王、千年後の世界で新入生になる~零からやり直す学園無双~」
が発売中です。
宜しければ買って下さい!!!!!!!!!!!!!!!!!

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